世田谷に移転してから、発表会の会場はどこがいいかなぁといろいろ調べ、イベントに参加したりコンサートを聴きに行ったりして偵察。虎視眈々と狙っていたホールの抽選に数回応募、晴れて去年7月にホール事務局からお電話をいただき「当たった」ことが判明してから、準備は少しずつ進めてきました。
当初「発表会あるといいですね」「ドレス着て出たい〜」とおっしゃってくださっていた方々は、どうやら家での練習が思うように進まなかったようでフェイドアウト…涙 親子の気持ちのすれ違いはよくあること、気にしない気にしない。というか、子どもさんがピアノを弾いている時にママがスマホをみてるのは要注意。ピアノよりスマホの方が価値があるのねって子どもは思っちゃうよね。お子さんが練習してる間はガン見してあげましょう。
・・かわりに。去年からピアノを習い始めた新鋭たちがゾクゾクと頑張りを見せて、わずか四か月で出場権を手にした選手もいるという噂…(なんの競技だろう?)
コロナ禍だし、どうなるかなーとなかなかスリリングな半年間でした。このまま、感染の波をかいくぐって、うまく抜けたい。当日を無事に全員揃って迎えたい、ただそれだけを祈る。ただそれだけでいい…(本音は、もうちょっとうまくなってほしい)
今回は、都合によりプログラムをシンプルにしたので、その分こちらにて詳しく曲についてや使用楽譜、選曲の経緯など解説したいと思います。
●「聖者の行進」 アメリカ民謡となっているが、黒人霊歌のひとつであり、ディキシーランド・ジャズのナンバーでもある。黒人さんたちのお葬式で演奏することも多く、はじめは静かなのだが、式の後はパレードになってだんだんにぎやかにしていくのだそう。見送られる方も最後は楽しい方が気分がいいかもしれないね!楽譜は「ピアノひけるよ!レパートリーA」橋本晃一さんの編曲です。
●「ファランドール」 ビゼー「アルルの女」の一曲。ファランドールとはフランスの南部プロヴァンス地方の踊りのようだ。この曲で面白いのが、pで始まって、少しずつ少しずつクレッシェンドしていくところ。最後の最後はffで派手に終わる。編曲は橋本晃一さん。楽譜は「やっぱりピアノがすき!下巻」です。リピートが多いから、「あれ、どこまで弾いたっけ?」というのも覚えておかなきゃならないので、がんばってね!
●「おおスザンナ〜草競馬」 200曲もの作品を残したアメリカ音楽の父、フォスターの名曲を二つ組み合わせてしまった斬新な連弾曲。橋本晃一さんの「やっぱりピアノがすき!連弾曲集②」。どちらも有名な曲なので「あれ、このメロディーはどっちだっけ?」となって楽しい。
●「アヴィニョンの橋の上で」 今回どうしても使いたかった春畑セロリ先生の連弾楽譜「みんなのピアノワールド 先生と連弾編(Take II Keys)」から、生徒さんにむりやり(?)選んでもらった一曲。なんと!フランスのアヴィニョンが南米のサンバに変身しております。そして、プリモとセコンドの手の位置が交差を繰り返すというややこしさ…夏に始めたばかりの生徒さんですが、一生懸命私のジャマな手の下で弾いてくれているところにご注目。メルシー!というかオブリガーダ?!
●「正しくなれない」 「約束のネバーランド」にハマりまくっていた彼女。他に弾きたいものはない、これ以外ない、と断言していたので、ソロの楽譜を連弾用にアレンジしました(このために初めてPCの楽譜ソフトmuse scoreに手を出した)。「これしかない」という割に左手はいやなの、とかわがままをいうのですが、それじゃ成長できないでしょ?と両手の部分をこさえました。すっごく大変そうにしています。ポテンシャル高いのにやる気出さないのは勿体無いんですね。化けるのが楽しみです。カッコよく決まるといいなぁー!!
●「ミッキーマウスマーチ」 これまた秋以降にピアノを始めた子なのですが、とても真面目に繰り返し繰り返し練習してくれるので、当初たどたどしかった指先もあっという間にしっかりして来ました。ミッキーのカチューシャを頭に付けて弾きたいなぁ〜と思っているくらい楽しいのですが、たぶん頭を揺らしすぎて落っこちるのでやめておきます。ディズニーの世界観を尊重して、びっくりさせるような音を出そうかと企んでいます。お客さんが椅子から飛び上がったらいいな。笑 楽譜は「こどもといっしょに♪連弾ピアノ 人気&定番ソング」です。
●「夜に駆ける」 楽譜は上のミッキーマウスと同じ本に載っています。はじめ、ホルストのジュピターをふよみしていたのですが、どうもしっくりこなくて急遽アヤセさんのこの爆発的ヒット曲(言い方が昭和…)に変更。準備期間も短かったのでところどころカットしています。それでも枚数はものすごくてふめくりが大変。16分音符の連続のところはいつか改めて挑戦してほしいな。とにかく速いし長いのにあっという間というイマドキな曲。一気に駆け抜けようぞ!
●「よろこびのうた」 ベートーヴェンの第九交響曲、歓喜の歌を入門アレンジした一曲。12月に出演を決めた彼女。とても小さい手で情熱的に鍵盤を叩く様は見ていて感動します。ベートーヴェンもこのパッションには納得して応援してくれていると思うよ!橋本晃一さんの「ピアノひけるよ!ジュニア2」に収録されています。
●「さんぽ」 となりのトトロ、名曲中の名曲。きこえてきたら誰でも口ずさんで歩きたくなりますね。こちらもとても小さな手で懸命に弾いてくれています。黒鍵たちが道を険しくしておりますが、がんばって乗り越えていってくれることでしょう。がんばれ!「やっぱりピアノがすき!アニメ名曲集」橋本晃一編
●「大きな栗の木の下で」変奏曲 またまた橋本晃一さんのアレンジによる変奏曲。元々の曲は古いイギリスの民謡のようですが、20世紀初頭に今の感じにととのったのだとか。under the spreading chest nut tree〜♪ですね。ピアノを始めて一年未満の彼。思い切って頑張ってもらったところ「シニア変奏曲集」に収録のこの曲を弾いてしまいました。当初は「変奏のどれかを弾ければいいか」という感じだったのが、とうとう全部弾けてしまったという。拍手!!変奏と変奏のあいだの「間」にもご注目。
●「紅蓮華」 体験レッスンの時点でお母様から「紅蓮華を弾きたいと言っています」と伺っていたので、通い始めて半年足らずでなかなかの高いハードルではありましたが「弾きたい」の気持ちを思いっきりぶつけていただきました。音域がテキストの範囲をあきらかに超えていたのでふよみに苦労していましたが、覚えてきたらいい感じに。2番は迷って今回は見送りに。いつか全部弾こうね!ピアノアレンジは内田ゆう子さん、コンビニで買える「ぷりんと楽譜」です。
●「だいすきなワルツ」 何曲か候補を提示したところ「むずかしい」と却下され、このかわいらしいワルツに落ち着きました。しばらく本気を出さなかったので喝を入れてみたら、あっという間に弾けてしまった。もっと「むずかしい」のも弾けたんじゃないー?と思いつつも、アガらずに弾けることを祈っていますよ。ビーデルマンは19世紀半ばのドイツ生まれアメリカ移住の作曲家です。楽譜は「ピアノの森2」田丸信明編(いもとようこさんのかわいらしい動物イラストが目印)
●「ミュゼット」 あのバッハ大先生が作った可愛らしい一曲。左手はオクターブはなれた音を弾き続けるし、右手も結構音域が広いので体幹が鍛えられることでしょう。pとfの対比が面白いので、そこも注目ポイント。この曲もリピートが多いため「…あれ、ここ2回弾いたっけ?まだだっけ?」となりそうです。頭をクリアにして落ち着いて弾けるといいね^ ^ 楽譜は武田宏子編「バロックをひこう」です。
●「エリーゼのために」 ベートーヴェン先生の失恋曲??というわけで、よく「ここがっかりしたところだね」とか「ここちょっと希望だよね」なんて話しています。結局失望で終わってしまうのですが、そもそも人妻だったんじゃないかとツッコミを入れたくなるのを我慢して同情することに。現在のテキストから一冊以上進んだこの曲をどうしても弾きたいとのことで、かなーり頑張りました。健闘を祈る!!楽譜は「ピアノひけるよ!レパートリーC」橋本晃一編(ラストの曲です!)
●「千本桜」 小4でこの作品に出会ってから、右手だけ耳コピで弾いてみたり、まらしぃ氏の超絶困難な楽譜を参考にしたり、紆余曲折あるようなないような、四年経ちなんとなく妙な熟成をみせている気がいたします。その場で弾き方を変えるんだとかで、ノッて弾けたらいいですね〜♪ というわけで、特に使用楽譜はありません。
●Let’s play together これは曲名ではなく、余興をさしています。ステージってどんなとこ?お客さんを前にするって?スポットライトってこんなにまぶしいんだ?!を小さな子どもたちに少しの間体験してもらおうと企画。生徒さんはもちろん、聴きに来てくれた子どもたちに上がってきてもらい、鈴やら何やらじゃかじゃか鳴らしてもらいます。一応、ガイドとしてトルコマーチを半分だけ弾きますから、一緒にトルコ軍気取りで行進しましょう。…さて、どうなるかな。
ここまで読んでくださった方は、なかなかコアなファソラ・ファンの方ではないでしょうか。どうもありがとうございます。
諸々の事情で「非公開」「関係者オンリー入場可」(来場者名簿→ホール事務局に提出)となってしまいましたが、世田谷移転後初のファソラ・コンサートが無事に開催できますように一緒に祈っていてください。よろしくお願いいたします!!
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